OFF SESSiON 鎌倉ギャラリー
芝田満之 写真展

2025.05.31

1980年代--当時を生きた日本人にとっては、特別な時代だった。
1985年に始まる「バブル経済」。
世の中は狂乱的な好景気に沸騰して、
写真、映画、コマーシャル、音楽など、クリエイションは
際限なく予算をかけることができ、その世界の輝きはまばゆいばかりだった。
芝田満之は、30代というあぶらがのりきっていた年齢で、
コマーシャルの世界で写真家・映像作家として、80年代を謳歌した。
「お金が転がりこんできた。気になるカメラ機材もすべて買えたし、
海外も撮影に行こうと思えばどこでも行けた。
余裕があったから、新しい試みをどんどんした。
当時の東京の僕のスタジオはテスト工房のようだった」(芝田満之)
今回の展示では、芝田本人が1980年代に撮影した写真をセルフキュレーションした。
その作品からは、時代に反して、静寂の中の余韻、センチメンタルさをも感じさせる。
1990年代に入り、バブルの終焉とともに消えた写真家は少なくない。
芝田が現在も一線で活躍している理由を、展示した色褪せない写真達が物語っている。
1980年代を生きた方々は当時の自分をよみがえらせ、
今を生きる方々は時代に思いをはせてほしい。